保存食部・その1「わたしの梅仕事」

hozon_1_5.jpg

今月から始まる保存食のコラム。担当はちひろさんです。

三児の母であるちひろさん、

食を大切に考える暮らしの一コマを保存食を通してお届けします。

※写真は2014年に漬けた梅干し。

 + + + 

毎年この時期になると、我が家には梅をいろいろに仕込んだ瓶が並びます。
 
私自身、梅仕事をするようになったのは結婚してから。まだまだ新米です。
でも実家では小さいころから畑にある梅の木で父が梅酒、母が梅干し、おばあちゃんが梅シロップ、と実際に梅仕事を見てきて梅には馴染みがあったので、それほど気後れすることなく梅と向き合うようになりました。
と言うと大げさですが・・・。
 
hozon_1_1.jpg
 
 
今年まず仕込んだのは梅酒。
毎年梅2kg分を作っていて、1kg分は1年後くらいから飲み始めます。
残りの半分は、年代ものにしようと企んでこっそり残しています。
写真の一番左の瓶が 去年のもの。
hozon_1_2.jpg
 
 
では、梅酒に使う材料を少し紹介したいと思います。
梅は奈良吉野か和歌山のものを使っています。梅の産地ですよね。
関東にもおいしい梅はたくさんあるのですが、私は奈良県出身なのでやっぱり馴染みの土地のものがいいなと。
お酒は、近所のスーパーなどに売っている普通の芋焼酎です。
あとは砂糖ですが、氷砂糖や白砂糖ではなく、今回は甜菜糖と素焚糖を使いました。
ちなみに甜菜糖はさとう大根、素焚糖はさとうきびが原料です。
hozon_1_3.jpg
 
続いて仕込んだのが梅シロップです。
素焚糖で作りました。
梅と砂糖を合わせておくだけで梅からおいしいエキスが出てくるん ですから、なんだか不思議ですよね。
作るのも楽しいですが、出来上がるまでの数週間もわくわく大好きな時間です。
 
そして梅サワー。
実は、今年初めての挑戦。こちらは梅と純米酢と素焚糖を使いました。
梅サワーは去年ご近所の方にお裾分けしてもらい、家族に好評だったので今年は作ってみることに。
どんな味になるのか、仕上がりが楽しみです。
 
hozon_1_4.jpg
  
わたしの梅仕事、最後は完熟梅が出回るころになると作る梅干しです。
今年はまだ仕込んでいませんが、梅干し作りは一番気合いが入ります。
奈良吉野の梅と京都大原の赤紫蘇で作る梅干し。
今年はどんな梅と出会えるでしょうか。楽しみです。
  
・・・・・・・・・・・・・・・・
 
◎お砂糖選びのコト
今回わたしが甜菜糖と素焚糖を選んだ理由は、甜菜糖は普段から料理にも利用しているので馴染みがあったため、素焚糖はたまたま買い物に行って「使ったことのない砂糖だな」と興味本位で買ってきました。
我が家で白砂糖や氷砂糖を使わないのは、白いお砂糖は製糖の段階でかなりの加工を繰り返していること。
食べると甘くておいしいけれどその分体にも負担がかかるし、食べ れば食べるほどまた欲しくなるという中毒にも似た悪循環を繰り返すからです。
どちらかといえば、南のほうで採れるさとうきびよりも北のほうで採れるてんさい大根を原料にする甜菜糖のほうが体を冷やさないので常用していましたが、最近このてんさい大根に対する農薬の使用量も問題になっていて、うーんってなっているところです。
 
お砂糖に限らず、おうちで使う食材はそれぞれの用途や好み、上記のようにどんな風に作られているか、を基準に選んでいます。
「あ、食べたいな」っていう直感も大切ですよね。
 
文 / ちひろ
 
+ + + 
■ ちいさないえより追伸
ちひろさんは、おやつのはなし「おやつのある風景①」に登場いただいています。
あわせて読んでみてくださいね^^