暦とくらす 2月「やしょうま作り」

koyomi1_1.jpg

新しいコラムは暦を大切にする暮らしをお届け。

季節と日々の習慣を大切に。

農家を営む陽子さんが信州安曇野から発信します。

最初は2月のやしょうま作りから。

文 / 小林陽子

 + + + 

 

安曇野には四季折々に豊かな自然の恵みを楽しむことが文化として根付いています。

郷土食もその一つ。今回は『やしょうま』作りをご紹介します。

「やしょうま」は、立春から涅槃会(お釈迦さまの亡くなった日。3月15日(旧暦2月15日))の頃にお寺を中心に地域の人が集まって皆で作られてきました。最近では作ること自体が珍しくなって直売所や和菓子店などで手作りのやしょうまを買い求める人もたくさんいます。

この時期、安曇野では北アルプスの雪が吹き付けるなどまだまだ冷え込みは厳しいですが、色とりどりの「やしょうま」を見かけるようになると、春の足音の近づきを感じて、心もふわっと軽くなる気がするのです。

+ + +

koyomi1_2.jpg

材料(2本分)
米の粉 700g
砂糖 140g
塩 小さじ1
熱湯 カップ3
食紅 少々

作り方

1.米の粉に砂糖・塩をまぜ、熱湯カップ3を少しずつ入れこねます。菜箸をつかってぐるぐると。熱いので気を付けて!

 koyomi1_3.jpg

.ひとにぎりずつちぎって蒸し器に並べて15分蒸します。少し平たい形にして真ん中を高く丸く並べると均一に熱がまわりますよ。

koyomi1_4.jpg

3.蒸しあがったらボールに移してすりこぎでつき、冷めてきたら手でよくこねます。

ここからがやしょうま作りの真骨頂!食紅で色を付けて絵を組み立てていきます。
桜とぶどうの2種類を作ってみましょう。

4.生地を半分に分けて、それぞれ4分の1ずつに分けます。冷めると生地がのびにくくなるので、すぐに使わない生地は布巾に包んで蒸し器に入れておきましょう。

○桜の作り方

1つ目は、大・中・小に分けて、それぞれピンク・茶色・緑に着色します。

koyomi1_5.jpg
食用色素を使います。

koyomi1_8.jpg
桜の花びらを作っているところです。

2つ目は、白のまま大中小に分けて、1つ目の生地をそれぞれくるみます。

3つ目は、白のまま二つに分けて丸くします。

4つ目は、白のまま長方形にのばして全体をくるみます。

koyomi1_7.jpg

○ぶどうの作り方

1つ目は、2つに分けて、それぞれ緑・紫に着色します。

2つ目は、白のまま2つに分けて、1つ目の生地の緑は白でくるみ、紫は紫で白をくるみます。

3つ目は、白のまま2つに分けて平らにします。

4つ目は、白のまま長方形にのばして全体をくるみます。

長さ15cmほどの棒状にして絵を組みます。

koyomi1_10.jpg

4つ目の生地で全体を包んだらのばしていきます。まな板を上にのせてごろごろするとよくのびます。直径4センチくらいが目安。
のびたらミシン糸で1センチの幅に切り分けます。

koyomi1_9.jpg

どうかな?

できた!かわいい~!!と歓声があがりました。

お茶と一緒にいただきまーす!ほのかな甘みがちょうどよい。

何個でも食べられちゃう感じです。

保存は、冷凍庫で1か月ほどOK。保存するときはラップを間に挟むとくっつかずにすみます。
解凍すればそのまま食べられます。

硬くなってしまったらフライパンなどで焼いて砂糖醤油をつけても、香ばしくて美味です。

さて、やしょうまの名前の由来は、「痩せ馬」がなまった説、お釈迦さまが臨終の際に傍らの弟子のヤショに「ヤショ、うまかった」と語りかけたことにちなむ説など諸説あります。(古代インド人が「ヤショ、うまかった」と本当に言うかな?とかなり疑問ではありますが。)

一足早い春を先取りするやしょうま、作ってみてくださいね。

文 / 小林陽子
 
+ + + 
 
陽子さん一家が営む あづみ野小林農園では旬を大切にその季節のおいしい野菜を育てています。
ホームページはこちら→ あづみ野小林農園 
 
春頃からは全国発送の宅配便も準備中です!