保存食部・その2「味覚の秋 大好きな栗の渋皮煮」

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わたしが一番好きな季節は秋です。
それはやっぱり美味しい野菜、果物がたくさんあるから。
その中でも「いもくりかぼちゃ」は大好物。
 
文 / ちひろ
 
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今回ご紹介するのは栗。栗の渋皮煮です。
京都の丹波に住むおばあちゃんが美味しい渋皮煮を作ってくれたことがきっかけで、わたしも作るようになりました。
おばあちゃんの家の裏に大きな栗の木があって、小さい頃は一生懸命栗拾いをしたものです。
きれいなホオズキも一緒にとってきたりして。
おじいちゃんもおばあちゃんもまだまだ元気なのですが、栗の木が老木になってきたとのことで、つい5年前まで毎年のように送ってくれていた栗も最近はなくなってしまいました。
なので、この季節になると近所の直売所で栗を調達するようになりました。
  
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渋皮煮というと、「手間がかかりそう」「皮をむくのが大変」と思われそうですが、
鬼皮さえむいてしまえばあとはほとんど大変な作業もありません。
栗の皮をむいたことがある方はご存じだと思いますが、栗には外側に"鬼皮"、内側に"渋皮"という2種類の皮がついています。
渋皮煮は外側の鬼皮だけをむき、渋皮を残して甘く炊きます。
 
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渋皮を残した栗を鍋に入れ、火にかけるのですが、なにせ灰汁(あく)がたくさん出るので、灰汁抜きのために重層も少々入れて沸かせます。
沸いたらしばらく弱火、ざるにあげ水で軽く洗う。を、4〜5回繰り返します。
最後に砂糖を入れ20分ほど。一晩おいて味をなじませたら、栗を取り出し、なべに残った煮汁だけを少し煮詰めてできあがりです。
仕上がりは、きっかけになったおばあちゃんの味よりわたしの渋皮煮のほうが少しさっぱり味かもしれません。
 
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時間こそかかるものの、丁寧に作った渋皮煮を口に入れたときのふんわりした幸せな気持ちを思うと、
「今年も作ろう」と、渋皮煮作りはこの時期の恒例になっています。
何より家族も大好きで、「おいし〜」と食べてくれる笑顔は何よりの原動力です。
  
 
大好きな栗、渋皮煮の他にも、むいた栗を少し甘く炊いて大福に。
 
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そして栗といえばやっぱり栗ごはん。
 
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たっぷり栗を楽しみます。
季節のものを季節ごとにおいしく楽しく食べる。こどもたちにも伝わっているといいな。
 
そしてわたしの原点ともいえる京都のおじいちゃんおばあちゃん、まだまだ元気でいてほしいです。
 
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(おじいちゃんとおばあちゃんの田んぼと畑です。)
文 / ちひろ
 
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■ ちいさないえより追伸
ちひろさんは、おやつのはなし「おやつのある風景①」にも登場。
あわせて読んでみてくださいね^^