今回はちょっと不思議な絵本のはなし。
「メルヘンの国」へご案内します。
+ + +
わたしがこの絵本「メルヘンの国」に出会ったのは、何歳だったかな?
幼稚園?または小学生になりたての頃だったのかもしれません。
当時、母が図書館で開かれる人形劇のサークルに入っていて、その練習の間、よく絵本を読んで待っていました。
あまりに小さな頃のことなのでうる覚えですが、何度も読んだ記憶があります。
謎めいた少女とへんてこで不思議な世界。なにか秘密が隠されているように思えてとても魅かれました。
人形劇の練習についていくことがなくなると、その絵本のことも忘れていたようですが、
大人になって、、ふと(あの絵本・・なんだったっけ?)と時折思い出し、探しました。
タイトルもわからず、物語もわからない。覚えているのは目深に帽子をかぶった女の子。
それにシルクハットををかぶった男性?・・当然見つかりません。
それからまた数年経って最近のこと。また思いだして調べてみると・・
インターネットが普及したお陰か、キーワードにひっかかった絵本がありました。
なかえよしを先生と上野紀子先生の『扉の国のチコ』という絵本です。これは似ている!!
それがきっかけになって、かれこれ約30年ぶり?に、やっとこの『メルヘンの国』にたどりついたわけです。
前置きが長くなりましたね。では、絵本の中にご案内します。
まずはページを開いて見ると・・
こちらをじっと見つめる少女。
うさぎの案内でふしぎな世界を旅します。
心の目でみるような不思議でなぜか懐かしいような世界が次々に現れて・・
ハンプティダンプティにも出会います。
この見開きは私が一番インパクトに残っていたページ。
このメルヘンの国は人々の空想から生まれた世界なのかな?見える人には見えるようです。
+++
もう絶版になっていて、杉並区の中央図書館の保存庫にあったものを借りてきました。
もしかしたら、これは私が子どもの頃読んだ本、そのものかも!
小さな頃にこんな不思議な絵本が好きだなんて、、変わってるかな?
確かにちょっと変わっているかも・・今だってちょっと変わってます^^
でも、私は同時に「ノンタン」シリーズも好きだったし、可愛い夢のような世界も大好きです。
そんな、自分の経験からも子ども達には大人が良いと思ってみせる世界だけではなく、
いろいろな絵本を読んだり、いろいろな体験をしてほしいと思います。
その中から、自分にしかわからない好きな感覚、好きな世界を見つけ大切にしてほしい。
+++
それにしても、この「メルヘンの国」は私にとって本当に特別な絵本だったようなのです。
本を探す道のりの最後には、偶然が重なって素晴らしい出来事がありました!
なんと作者である、なかえよしを先生と上野紀子先生にお会いする機会に恵まれたのです。
おふたりは、とても自然な佇まいで、私は眺めているだけでも嬉しくて、その帰り道は胸がいっぱい・・。
忘れられない絵本のお陰で、忘れられない思い出が出来ました。
なかえ先生と上野先生の絵本。皆さんはきっと「ねずみくんのチョッキ」でご存知ですね!
ねずみくんもよく読んだ絵本。40周年のねずみくん、最新刊は変身するお話。
今は3歳の息子がお気に入りの絵本です^^
8月2日〜9月28日まで神奈川近代文学館で
「なかえよしを×上野紀子の100冊の絵本展」が開かれます。
ねずみくんの世界とシュールな絵本の世界、両方が見られるそう。楽しみです!
ここで「メルヘンの国」を紹介することを、なかえよしを先生は快く了承してくださいました。
ありがとうございました!
文 / yuki (FLYERS design.)