お弁当日記その4「暑い季節の健やかなお弁当」

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夏がやってきました。

暑い日のお弁当。作る時に気になるのは衛生面。

今回は安全に美味しく食べられるように作るお弁当のお話です。

文 / 小林えまこ

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暑いですね。もうすぐ夏本番、お弁当にも気を使うシーズンです。

少しさかのぼりますが、小学校の運動会が5月にありました。

5月といっても非常に暑い日がありまして、前年の運動会はその特別暑い日に炎天下のもと、親も子も熱中症を心配しながら競技したり応援したりの午前中でしたので、お弁当の傷みもギリギリ、といった塩梅。ちくわきゅうりだとか、チーズ入りの卵焼きなんかはNGだな、、と知ったわけです。

そこで今年、小学生母2年目の運動会弁当は、とにかく「酷暑にもたえられると衛生面と内容」と「しっかり冷えていてもおいしいメニュー」を意識して作りました。

梅干しと干し蛸のおにぎり、濃いめの味付けのお煮しめ、枝豆、濃い味でしっかりめに揚げたから揚げ、ゆでトウモロコシ、ゆでアスパラガス、水茄子の漬物、フルーツとこんにゃくゼリー、そしてそうめん。(そうめんは、普通に茹でてしっかりと水を切り、紙コップに入れられるサイズに巻いてお重に詰めるだけです。食べる時はつゆを入れた紙コップに一玉ずつ取り分けます。数種類の香りの野菜を刻み合わせた薬味と半分凍った状態にしておいたつゆ、スダチを用意しました。)

しっかり加熱調理し、しっかり冷やしたものを、たっぷりの保冷剤を入れた保冷バッグで保管し、お昼ごはんの時間には「ひんやり」の状態でいただいたお弁当。思いの外美味しく、暑さで疲れた体にもしっかり食べることができました。

「一旦しっかり冷やす」ことで、前日に作業可能な分量がぐっと増え、当日朝の慌ただしさが大幅に解消され、体力が温存できたのもよかった。睡眠不足で炎天下に立ち続けてフラフラしてしまった前年に比べ、少しだけ自信が持てたお弁当作りでした。

傷みにくくて、暑さと疲れで食欲が下がりがちの状態でも手を伸ばしやすく、というのが今後も目指すところです。

 

先日は七夕がありましたね。おかずは普通ですが、天の川を渡したりしてね。

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さて、通常のお弁当です。
毎年じりじりと気温が上がってきた6〜7月あたりから残暑を乗り越える9月頃まで、保冷バッグや保冷素材の内袋を使うようにしています。
今年は雑誌の付録で良いものがあったので、その保冷バッグを主に使用。お弁当とデザートを重ねるとちょうど余分な空間のできないサイズ感で、いつも使っているお弁当袋の中にも入れられて、さらに斜めがけの幼稚園バッグにも入れやすく、非常に重宝するサイズ。

この日は焼きそば弁当。ケーキ屋さんなどで入れてくれる保冷剤をフルーツを入れたデザートカップに輪ゴムでくくりつけ、お弁当箱の上にセット。保冷バッグは野田琺瑯の小さいレクタングルがぴったり入ります。
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そして、できるならば食べる時にひんやりしていてもおいしく食べられる内容にしたいんですよね。

自家製のミニベーグルサンドはゼリーとバナナも一緒に詰めて保冷剤を上にのせて。
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柴田慶信商店の小判弁当箱小ならこのような収まり具合い。
もちろんわっぱは吸湿性に富んでいるので腐敗しにくくなると言われていますが、食中毒の心配なシーズンはわっぱのお弁当箱も保冷バッグに入れるようにしています。
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暑さも本格的になりつつある7月からは、おかずも徹底して加熱したもの、水気の出にくいものを詰めるようにし、極力余分に触らないで清潔に保ちつつ詰めることなど、腐敗を避ける調理や詰め方の工夫に注力。また、ごはんはあらかじめ梅干しを一粒入れて炊いています。ごはんの腐敗防止です。
味付けも普段より少し濃い目に、しっかりと2度揚げしたから揚げ、ミニトマトはピクルスにしました。
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そして先日、幼稚園では1学期最後のお弁当でした。
野菜の肉巻きも味付けはしっかりめに。デザートは桃。桃は変色しやすいので寒天で寄せてひんやりデザートにしました。
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幼稚園ではいよいよ夏休みを迎え、私のお弁当作りもお休みに入ります。
私の中には普段の食卓には上がらないお弁当だけのおかず、という線引きがあって、野菜の肉巻きやちくわの磯辺揚げなど、家族分の夕飯のおかずの1品にするには沢山作らないと嵩不足で満足感が得にくかったり、ちょこっと手が入る分なかなか大量には作らないな、というものを、お弁当にだったら丁寧に手をかけて作る秘蔵っ子メニューとしているのですが、この、お弁当のためだからこそ少し細やかな仕事をするか、という気持ちをもっと大事にしたいな。と、このひと区切りで改めて感じています。

お弁当箱にありあわせのおかずを詰め合わせることは簡単なのだけれど、お弁当も大切な1回の食事。そしてお弁当は各々の場所で食べてくる食事なので、食べている状況を作り手が立ち会って見られない分、より安全に美味しく食べられるように作る責任があるようにも思います。見た目は地味でもお母さん色々考えているんだぞ、というお弁当をこれからも作りたいと思います。

文 / 小林えまこ