Portrait⑤ いつもシンプルに。

Portrait 第5回目は杉並区にお住まいの池隅かずえさん

かずえさんはカフェで働きながら、

1年の冬から春の間、月に2回開店する小さな焼き菓子屋を営んでいます。 

portrait_5_0.jpg

この日は「お昼ごはんを用意して待ってます」というお言葉に甘えて、

おいしいランチをいただきながら日々の暮らしの話を伺ってきました!

 

* * *

「お邪魔します」と伺ったかずえさんのお宅。
ガラスの引き戸や玄関の雰囲気に懐かしさを感じます。

「築年数は40年と聞いてますが、本当はもっと古いかも・・」だそうですが、とても居心地よく清潔感のある家。
夫と2人で暮らす住まいはモノが少なくシンプルです。
賃貸の一軒家ですが大家さんの了解を得て、住みやすいように手を入れて今の状態になったそう。

というお話を伺いながら、キッチンで食事の準備がすすみます。

portrait_5_12.jpg

アンティークの小鍋にはコーンスープ・・おいしそうな黄色です。

次々に並んでいくおいしそうなおかずにソワソワするので、
まずは気になる食事をいただくことにします。

 

おいしいお昼ごはん、いただきます!

この日の献立は野菜が盛りだくさん。

portrait_5_15.jpg

水茄子と桃のサラダ。
レーズンたっぷりのキャロットラペ。
カボチャ入りラタトィユ。
そして先ほどの手作りのコーンスープ。

まずはコーンスープを一口・・「とってもおいしい!」。
「材料はとうもろこしと玉ねぎと牛乳、シンプルな作り方ですよ」
重くなく優しい味。とても気に入りました。
※さいごにレシピをご紹介しています

お料理話には私も心躍って、一口食べる毎に質問^^

portrait_5_17.jpg

水茄子と桃のサラダには桃のジャムで作ったドレッシングをかけてくれました。
こちらもシンプルに「オリーブオイルに酢、塩こしょう、マスタード、そして桃ジャム」というレシピ。だけれど、ジャムをドレッシングで活用すると甘みに深みが出るし、楽しいですね。
水茄子は生食でも食べられると最近知ってはまっているそう。本当にクセがなく、桃とぴったりの夏のサラダ!

portrait_5_8.jpg
季節の果物を見ると作りたくなるジャム。昨年作ったものもあるのでいつも冷蔵庫にジャムがいっぱい。色々活用するそう。
  

portrait_5_16.jpg
こちらもおいしかったラタトゥイユにはローズマリーと焼いたウィンナー添え。
香りよく・・一緒に食べると塩気がぴったりだし、ボリューム満点です。
 
 
portrait_5_21.jpg 
台所で作る時間が好きというかずえさん。
平日はお仕事をしているので、帰宅後に食事の準備。0から作るのは大変なので、おかずを出来る時間に少し作りおきしているそう。
一番好きな時間は、週末。土曜の夜。ごはんを食べる時間も良いけれど、のんびり作っている時間が好きなのだそうです。 

  
portrait_5_10.jpg
デザートのココナッツプリン。
かずえさんがこうして器に盛りつけてくれる様子がとても自然で安心感があり、ずっと飲食に関わる仕事をされてきたことを感じます。

portrait_5_9.jpg
杏のコンポートを添えて・・いただきます!もっちりとしたココナッツプリン、とってもおいしい♩
 
 
では、デザートをいただきながら、家の話を聞きましょう。 
 
 
住む家を選ぶ

当初、ここは友人とシェアして住んでいたそう。
まだ上京していなかった友人に物件探しをまかされて、家の間取りが気になったこの家を不動産屋に問い合わせてみると『あまりオススメではない』との返事。
そして実際見に行ってみたところ・・・長い事空き家だったらしく靴で上がるほど汚れていた。でも・・入ってみると(あれ?なんとなく良いかも)と、ここに住む自分がイメージ出来て、階段を見上げてみた時にピピッ!ときて決定!

portrait_5_5.jpg
借りる事を決めた階段。

「当時、友人に、よくここに決めたねって驚かれたんです」と、かずえさん。

掃除して、壁を塗って、少しずつリフォームして今の形になったそう。
こうして住める場所を自分で見つけて整えていく楽しさは良いものですね。

portrait_5_2.jpg
納戸だった部屋もリフォームして日差しが入るように。

 

使うモノを選ぶ

部屋の中はすっきりしていてモノは少なく、とてもシンプル。
でも、必要最小限目指して・・というわけではなく、選ぶ前に考えるから。
どんなに可愛らしいものでも、お店で手にした時に(これって私がいるものかな?)と考えて、自分が使っているイメージが出来るものを選ぶそうです。

portrait_5_14.jpg

キッチンの道具達も同じように少ないけれど、お気に入りのものばかり。
あまり登場回数はなくても気に入ったものなら家にやってきます。

portrait_5_13.jpg

「最近、購入したのはこれです」というアンティークのアイスクリームディッシャー。

 
家選びも道具選びも同じ。カズエさんの選ぶ基準は、イメージ出来るコトなんですね。

 

portrait_5_3.jpg
レトロな食器棚にはいつも使う食器を並べています。

portrait_5_4.jpg
ほぼ毎日つかうお茶碗などは食卓の籠に常備。

portrait_5_11.jpg
秘密の引き出し?普段使いではない食器は引き出しに。少しずつ集めた大切な食器達。

 

暮らしの先の夢

今の暮らしはとても満足しているけれど、小さな夢と大きな夢があるカズエさん。小さな夢はいっぱい^^
壁を塗りたいな、お気に入りのカードをきれいに飾りたいな・・などなど、あれこれと。

そして大きな夢は自分のカフェを持つ事。
カズエさんは現在、杉並区西荻窪でSunset Cookiesという焼き菓子屋さんを開いています。オープンは秋~春の間、月に2回。
お小遣いでも買えるおやつのような焼き菓子がSunset Cookiesのお菓子。食べたら、ちょっと幸せになって、その幸せが広がったらいいな!という気持ちでお菓子を焼いているのだそうです。

そして、いつかその新しい形としてカフェをはじめられたら・・思い描いています。

今回お話を聞いて、カズエさんがイメージがぴったりな場所はいつか自然と見つかるように思えました。その日がくるのがたのしみです。

 

+ + +

あとがき

portrait_5_1.jpg
近所の写真館の方が撮影してくれた家族写真。お店の前で撮影。

食卓には人柄が現れると思います。かずえさんの食卓はとても自然体でするりを体に染み込むお料理でした。

食材はシンプルに調理しつつ味付けにちょっとしたアイデアを入れる。とても刺激を受けました。

そしてモノを選ぶ基準も共感。私もモノを買いすぎずに整った暮らしを作ろう。

かずえさん、ごちそうさま!ありがとうございました!
いつかカフェが出来たら通います^^


→ Sunset Cookiesのブログ
開店時期やその時に並ぶ焼き菓子を案内

●かずえさんのコーンスープのレシピ

portrait_5_20.jpg

①玉ねぎ1/4をバターで炒 める。
②そぎ落としたとうもろこし2本も炒める。
③芯と水2カップを入れて、ぐつぐつ煮込む。
④とうもろこしが煮えて、水分が少なくなったら、牛乳2カップを合わせてミキサーにかける。
⑤再度、火にかけながら、塩で味を調える。

この日は、ミキサーにかけた後、濾しました。(濾さなくても十分美味しいけど、濾すとなめらか)
 
 
インタビュー/ y u k i