Portrait③ 秘密のサウスアベニュー

Portrait 第3回目は東京・西荻窪にあるサウスアベニューの皆さんにお話を伺ってきました。

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サウスアベニューは私が20代の頃から通う大好きなお店。

ここにくると、いつもなにか良いもの・・または面白いものに出会う。 

だれかに贈り物が必要ならば、サウスアベニューに行くし、

中国茶を買いにも行くし・・さらには洋服を買い行ったり食器を買いに行ったり。

そんな調子で様々な用で行っては、いつもそのお買物が満足出来てしまう。

小さいけれど百貨店のような不思議なお店なのです。

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今回のインタビューではその秘密を探りに行ってまいりました。

さて、ちゃんと探れたかどうか・・??

奥深くて、ちょっと混沌としたお話、どうぞ読んでみてください。

  

※サウスアベニューのおふたり

saus_y3.jpg えっちゃん  saus_y2.jpg やっちゃん

 

* * *

薬膳ブレンドの秘密

季節ごとに店頭に並ぶ、薬膳ブレンドはサウスアベニューオリジナルの人気商品です。

秋冬の人気『かぜに負けない茶』や冬頃に並ぶ食べるお茶『フルーツバスケット』などなど、、名前を聞いただけでも美味しそう。

どのブレンドも季節感を大切にしています。

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ドライの林檎が入ったフルーツバスケット!

  

ブレンド・・といっても、「最高のブレンドを作りたい!」という想いから、組み合せる素材はひとつひとつ吟味。

例えば、秋のブレンド『秋晴レ』はその季節に美味しい観音茶をベースに、大分の農家から取り寄せた有機のミント、色鮮やかなキンモクセイ、、。

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そもそもはじまりは、1998年頃だそうです。

まだ中国茶がマイナーだった時代に、お客様に気軽に飲んでもらおうと作ったこと。

ブレンドはガーゼに包み手縫いで縫製。「かわいいヒラヒラをつけていたよね」とお話してくれました^^

その頃から、中身は出来る限り自分達の手作りです。

 

魅惑の陳皮

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ずらりと並ぶ瓶、その手作りの素材のひとつ陳皮です。なんと2002年のものもあります!貴重!

美しい切り目ですが、機械で切っているのではありません。包丁で丁寧に切っているそうです。

 

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『かぜに負けない茶』の陳皮は、かぼすの皮。でも、緑色ではなく黄色です。

 

サウスアベニューで使用しているのは黄色のかぼす。11月まで木で完熟させるカボスを使用しているからなのだそう。11月になると、農家から黄色のかぼすが届き、大忙し!

まずは良く洗い、カットして中身をだし、、白い部分をそいで、、丁寧に切って干して・・。

それで完成ではなく、干した陳皮は1年間じっくり寝かせるのです。

寝かせる事で薬効がたかまるのだそう。そして出来上がる納得の陳皮。

眺めているだけでも綺麗なこの瓶の中身には、そんな秘密が隠されていたのですね。

  

美しさを大切に

「パッと目で見て(きれいだな!)と思えるブレンドにしたい」

それも薬膳ブレンドのこだわり。

それはまさに私が初めて『かぜに負けない茶』を飲んでみた時に、感激した点です。

お店で(わあ、かわいい!)と思い、持ち帰り・・

子どものお昼寝の間、こっそりお茶の時間が小さな愉しみ。

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中身を出してみると・・これだけで綺麗でしょう?

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ガラスのポットにお湯を注いでみると、ふわ~っと浮き上がるバラや陳皮たち。

少しずつ赤く染まる湯。

なんとも幸せな気分になりました。

 

素材1つ1つへのこだわりが、こうして誰かの幸せや安らぎにつながっていくのかもしれません。

 

旅のはなし 

毎年、8月に3週間程お店は夏休みとなり、サウスアベニューのみなさんは中国へ仕入れと中国茶をめぐる旅。

今年は広西チワン自治区へ。

昨年は雲南省西双版納(シーサパンナ)。

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とにかく奥地まで旅するわけですが、、もちろん自分達だけでは行けません。

かれこれ15年来のつきあいとなる中国人の通訳、スーさんとともに1ヶ月の旅をするそうです。

1年に一度、じっくりともに旅するスーさんはまるで親戚のような人なのだとか^^

 

そして中国行くといつも市場に必ず立ち寄り、そこで最高の食材を買うそうです。

最高のものは日本に入ってきませんので、そこでのみ手に入る特別なもの。

 

旅の中でも「なにしろ市場が大好き!」なのだそうですよ^^

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お茶の旅アルバムの1ページ。

 

ぐっとくるものでないと・・

さて、こうして中国茶へのこだわりの中にサウスアベニューの面白さが詰まっているように思えますが、まだまだあります^^ 

お店に並ぶセレクトされた古着、現行品、作家もの、またはオリジナルなどにも魅力がいっぱい。

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西荻窪といえば数年前までは古着と古本、アンティークの街というイメージでした。

古着屋さんはどこも個性的なラインナップで古着屋巡りが楽しかった。サウスアベニューもそのひとつ。そして今も変わらずこだわりの古着たちが並びます。

古着=古い?そうではありません。

縫製が面白い服、珍しい柄、たのしいカタチ。サウスアベニューのセレクトのポイントは ぐっとくるもの なのだそうです。

 

これはオーナーであるえっちゃんのおばあさんがいつも言っていた言葉なのだとか。選ぶ服は「ぐっとくるものでないと・・」というのが口癖。なんともハイカラな人ですね!

(とても美しい方だったそうで竹久夢二のモデルもされたのだとか・・)

 

もうひとつ、サウスアベニューのぐっとくるものといえば、これもかかせない。

キュートなラッピング!

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時にはこんな風にしてあったり・・。

 

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こんなアイテムを使ったり・・。

(カットしたコルクを白く塗って、顔を描いていきます。白く塗る人、顔を描く人・・分担作業!)

 

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こちらはディスプレー用のダルマたち。

 

紙好きなえっちゃんはいつも街の「紙」をピピっとチェックしていて、それがラッピングに活用されるというわけです。

 

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えっちゃん秘密のアイテム

saus_y3.jpg  えっちゃん

秘密の?スクラップブック。雑誌の切抜きや包装紙、写真・・エトセトラ。

それをコラージュしたおもしろブック。見せてくれました。

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このスクラップブックがサウスアベニューの真髄!?

 

やっちゃんの秘密のこぼれ話

saus_y2.jpg やっちゃん

やっちゃんの子ども時代のエピソードもユニーク。

好きだったテレビ番組は『料理天国』だったというから子どもの頃から美味しいもの好き。

(「料理天国」は今では伝説?のグルメ番組です!懐かしい方も多いでしょう?)

実家がお店をしていたので、中学生の頃に友人とアルバイト。アルバイト代をもらうと、そのお金を握りしめ友人と2人で近所のお店に食べに行っていたそう。

フランス料理屋に行ったのが一番印象的だったそうですよ^^

 

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さて、、たのしい話はつきず、もっと書き綴りたい気もしますが、ここまでにして・・あとはぜひお店に足を運び、グルグルと店内を見ていただければと思います。

そうそう、入ってすぐのお茶のコーナー脇には、夏の旅のアルバムがあります。これはオススメ。ぜひ開いてみてください。

旅の気分が味わえますよ!

 

サウスアベニューさま、ありがとうございました!

これからも ぐっとくるサウスアベニューを楽しみにしてます♩

  

◎11月22日〜12月25日まで西荻窪では「ニシオギセカイツアー」が開催されます。

参加する店舗がそれぞれテーマ国を選んでそれにちなんだモノを展示したり販売するというユニークなイベント。

サウスアベニューは今年も参加!テーマはもちろん中国です。

広西省の小さな仕立て屋から買い付けてきたチャイナ服。土地のおばあちゃん達のモダンな日常着が並ぶそうですよ。

 

サウスアベニュー 

木曜定休 14:00〜20:00

http://www.southavenue.info

 

◎おまけ お手製の素材メモ

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(左上から時計回りに)

2013橙のタネ、2002レモンの皮、2013日本オレンジの皮、2002レモンの皮、2013橙の皮。

まん中のは、干し生姜(チャイに入れる素材です)。

 

インタビュー/ y u k i(FLYERS design.)