保存食部・その4「我が家の元気の源、玄米甘酒」

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季節を通して作るちひろさんの保存食。

今回は家族の健康の秘訣を教えてくれました。

寒くなる季節にもオススメの優しいあの味です。

文 / ちひろ
 
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今回は、6年ほど前から我が家に常備している"玄米甘酒"について紹介したいと思います。

そもそも、"甘酒"ってご存知でしょうか?「飲む点滴」などど言われ、最近テレビなどでもよく紹介されていたり、スーパーなどで売り場に並んでいたりするので、聞いたり見たりしてよくご存知の方も多いと思いますが、簡単にご説明します。

一般に甘酒と呼ばれているものには2種類あります。
1つ目は、お米と米麹を使ってデンプンを糖化させて甘味を出す米麹の甘酒、もうひとつは、酒かすをお湯に溶かして砂糖などで甘みをつける酒粕の甘酒です。缶入りなどで市販されているものの多くは、米麹の甘酒にさらに砂糖や添加物を加えているものが多いですが、一部、麹を自家製なさっているおみせなどでは無糖の米麹甘酒が販売されています。

今回ご紹介する、米麹の"玄米甘酒"は、麹に含まれる酵素の働きででんぷんが甘くなるので、生きた酵素をそのまま体に取り入れることができ、腸や肌にもうれしい効果がいっぱいです。実際2歳くらいまで便秘がひどかった長女ですが、毎朝甘酒を摂るようになってからお腹の調子がとってもよくなりました。

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玄米甘酒を作るのに必要なのは、お米と米麹、以上です。我が家では玄米の麹使っているので"玄米甘酒"になりますが、これを白米麹に変えれば"白米麹"になります。お米は、実家の父がくれる玄米を自宅で5分づきに精米したものを使います。

 

うちでは一度に、米3合、麹500gで甘酒を大量生産します。

まず、お米でお粥を作ります。米3合に対して8カップ(1600ml)の水で作るお粥が何度も作って決まった、甘酒を作るのにわたしのベストな水分量です。

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お粥ができたら60℃くらいまで冷まして麹を加えます。というのも、70℃以上だと麹菌が死んでしまい、甘酒が甘くならないからです。麹の香るお粥になっちゃいます。

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均等に混ぜたら、常に60度前後を保ったまま、炊飯器で8時間保温。

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蓋を完全に閉めてしまうと温度が上がりすぎるので、軽く開けておきます。

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8時間経ったところ。麹とお米の粒々が残るので、わたしはハンドプロセッサにかけてなめらかにしています。

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できあがった玄米甘酒は、小分けして半分くらいは冷凍しちゃいます(麹菌は冷凍しても死なないので、酵素をそのまま摂取できます)。冷蔵でも2~3週間は保存できます。

このまま少し薄めて飲んだりする方も多いようですが、我が家では、朝のヨーグルト代わりとして、「玄米甘酒、あんこ、グラノーラ」を盛ったものを出しています。

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あんこもグラノーラも自家製。甘酒が甘いので、グラノーラは無糖、あんこはほんの少ししか甘味をつけていません。

作った甘酒はほとんどこんな風にして食べてしまいますが、甘味を生かしておやつ作りに加えることもあります。

 

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このスコーンは、奈良県産の地粉で作りました。
好き嫌い別れるかもしれませんが、焼きあがりはほんのり麹の香りが心地いいおやつです。

そうそう、この玄米甘酒、体にはとってもいいのですが、大量のお米からできていることをお忘れなく。甘酒を多くとるときは、主食は控えるようにしましょう・・・笑

たった8時間ででんぷんを糖に変えてしまう麹菌のパワーってすごいですよね。
麹菌を発見した日本人って本当に尊敬します。

麹を使ったもので、すっかり定着したものに、塩麹があるのではないでしょうか。
うちでは麹を使って塩麹、醤油麹も作っています。塩麹は、麹に水と塩を加えて発酵させる、醤油麹は麹に醤油を加えて発酵させる。発酵させるといっても、1週間前後常温に置いておくだけ。1日一回混ぜるくらいです。

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塩麹はおなじみで、肉や魚の下ごしらえ、野菜の和えもの、スープの隠し味などに使ったりしている方も多いと思います。醤油麹は、納豆の味付けとして加えて食べる。おすすめです。あとは、かぼちゃやさつまいもなど、甘い野菜を炊くときに加えるととってもいい風味になります。ときにはきんぴらの味付けに使ってみたり。

今回は甘酒をご紹介しましたが、甘酒にとどまらず、麹をいろんな形でもっと活用できたらなと思います。

文 / ちひろ